FAQ

サンプルについて

何年か前のサンプルが出てきました。使用していいですか?

品質が劣化している可能性が高いです。たとえ外観上に変化が無くとも機能や反応性に差が出る可能性がございますので、ご使用にならないで下さい。『サンプルオーダー』よりご依頼頂ければ新しいサンプルを送付いたします。

無償サンプルはありますか?

はい。100ml、若しくは100g程度を提供しています(一部の例外を除く)。「サンプルオーダー」にて受け付けています。

サンプルに白い沈殿物があります。原因はなんですか?

加水分解で発生した金属酸化物である可能性があります。何度もふたを開け閉めすると生じることがございます。ただ、製品によっては金属酸化物でないこともございますので、沈殿が生じている場合は、ご相談ください。

製品について

SI-310とSI-400の違いは何でしょうか。

SI-310は、メチルトリイソシアナトシランで、SI-400はテトライソシアナトシランです。SI-400の方が反応性が高く、最終的には酸化ケイ素となります。SI-310は分解した際にメチル基を含むポリシロキサンが得られます。

リン酸系チタンカップリング剤についての知見はありますか。

リン酸系チタンカップリング剤について当社の知見は少ないですが、文献として紹介されている例があります。具体的な製品や使用方法については、文献等を参照することを推奨します​​。

チタンカップリング剤とシランカップリング剤の違いは何ですか。

 Si-C結合は安定ですが、Ti-C結合は非常に不安定であり、空気中ですぐに分解します。そのためチタンカップリング剤では、安定化を目的に全てTi-O結合を介して有機基が存在します。

水系タイプのチタンオリゴマーはありますか。

水系タイプのチタンオリゴマーを合成することは可能ですが、日本の化学物質審査規制法(化審法)に基づく登録がないため、市販はされていません。合成自体は可能ですが、法的な制約があります​​。

TC-310とTC-315で化学構造は異なっているのでしょうか。

製法上、TC-310とTC-315の構造は同一と考えています​​。

水溶媒下、酸性条件下で使用可能な触媒はありますか。

水溶媒下、酸性条件下で使用可能な触媒として、乳酸キレート(TC-310、TC-300)があります。

オルガチックスZC-150を有機溶剤に溶解しての使用を検討しています。溶剤系によっては経時で溶液が黄変するものとしないものがあります。この現象はなぜ起こっているのですか。

黄変は光照射による配位子のπ軌道から金属のd軌道への電子遷移時の吸収波長に関連します。溶剤の種類や含まれる不純物によっても色の変化が生じます。特にケトン基、アミノ基やフェノール類が含まれると強い着色を示すことがあります。

オルガチックスZC-700の溶剤系がトルエン・メタノール・アセチルアセトンである理由を教えてください。

 トルエンとメタノールの混合溶剤は、ジルコニウムテトラアセチルアセトナートや他の金属のアセチルアセトナート錯体の溶解度が高いことが確認されています。他の溶剤ではほとんど溶解しないため、この溶剤組成が選ばれています。また、アセチルアセトンは反応の安定化を図るために配合されています​​。

保管上の注意点はありますか?

弊社製品は一般的に加水分解性があり、水または空気中の湿気と反応を起こすため保管や取扱いに当たっては注意が必要です。

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不要な製品(サンプル)の廃棄処理はどうしたらよいですか?

各所属自治体のルールに従って処理して頂くようお願いいたします。SDS記載の“廃棄上の注意”もご参照ください。

通常在庫品と受注生産品の違いは何ですか?

(1) 通常在庫品

定期的に製造している汎用製品です。1缶からのご購入が可能です。

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オルガチックスとは何ですか?

「オルガチックス®(ORGATIX®)」は弊社が製造・販売する有機チタン・有機ジルコニウム・有機アルミニウムなど有機金属化合物の登録商標です。インキ、塗料、プライマー、高屈折率膜、電子材料、セラミックス、プラスチックフィルム、金属、ガラスなどの様々な用途に使用されております。

製品(サンプル)全体もしくは一部が固まっています。どうしたらいいのですか?

一部の製品は融点が高く、気温が低い場合に固まる(凍る)ことがございます。従いまして冬場にはご使用前に固化していないかを確認することをお勧めします。...

製品の保証期間はどのくらいでしょうか?

「納入後6ヶ月間(未開封、冷暗所保管)」を基本としております。ごく一部の商品に限り、「製造後3ヶ月間」など保証期間の短いものもございます。

GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)ラベルに対応していますか?

はい。全製品対応済みです。

SDSの入手は可能ですか?

はい。PDFファイルにて提出しております。「SDSリクエスト」で受け付けています

入目の種類について教えて下さい。

一般的な入目として、1kgと15kgの2種類がございます。製品によってはドラムやコンテナー対応も可能です。

性質について

ブロックイソシアネートにはブロック剤を外す効果であるのでしょうか、それともウレタン化の触媒なのでしょうか。

ブロックイソシアネートにも硬化を示す触媒は紹介しておりますが、その作用機構が脱ブロックであるか、ウレタン化であるかは不明です。

オルガチックスZC-150を有機溶剤に溶解しての使用を検討しています。溶剤系によっては経時で溶液が黄変するものとしないものがあります。この現象はなぜ起こっているのですか。

黄変は光照射による配位子のπ軌道から金属のd軌道への電子遷移時の吸収波長に関連します。溶剤の種類や含まれる不純物によっても色の変化が生じます。特にケトン基、アミノ基やフェノール類が含まれると強い着色を示すことがあります。

オルガチックスSICシリーズの塗布膜は油やご飯粒に対する離型性はありますか。

オルガチックスSICシリーズの塗布膜は、油やご飯粒に対する離型性の発現の可能性がありますが、具体的な離型性能は使用するシリコーン系材料の種類や処方によります。滑り性や離型性の発現メカニズムとしては、膜表面にSi-CH3が配向することで得られます​​。

ジルコニウム化合物とチタン化合物の違いは何でしょうか。

ジルコニウム化合物はチタン化合物に比べて色が薄いことが特徴です。また、加水分解反応性はチタンアルコキシドと比較してジルコニウムアルコキシドの方が高いです​​。

オルガチックスSICシリーズを用いて膜を形成させる際、低分子シロキサンが発生する可能性はあるでしょうか。

 低分子シロキサンが発生する可能性はあります。

オルガチックスSICシリーズの塗布膜は硬いといわれますが、屈曲させて膜は割れないのでしょうか。

PETフィルムに オルガチックスSICシリーズを塗布・硬化させた場合、屈曲させてもクラックが発生しないことが確認されています​​。

オルガチックスSICシリーズの滑り性や離型性が発現するメカニズムを教えて下さい。

オルガチックスSICシリーズの滑り性や離型性は、膜表面にSi-CH3が表面に配向することで得られます。滑り性は、イソシアナトシランの重縮合反応により得られるSi-O-Siの無機構造が膜を硬化させることで発現します​​。

オルガチックスSICシリーズは、フライパンや炊飯器用表面処理剤としてフッ素代替が可能でしょうか。

オルガチックスSICシリーズを用いて得られた膜は耐熱性がないため、フライパンや炊飯器用の表面処理剤としてのフッ素代替には適していないと考えられます​​。

オルガチックスSICシリーズの塗布膜の硬度はどの程度でしょうか。

オルガチックスSICシリーズの膜は滑り性を有するため、鉛筆硬度試験での測定が困難です​​。Si-O-Si結合を形成するため、硬い膜が形成されていると考えております。

フィラーの表面処理において、乾式法や湿式法で加熱乾燥するとアルコキシの架橋を介してフィラー同士がくっつくことはありますか。

乾式法や湿式法で加熱乾燥すると、アルコキシ基が粒子表面の水酸基と反応して、フィラー同士がくっつくことがあります。湿式法では特に二次凝集が強く生じるため、処理後に解砕する等の追加工程が必要になる場合があります​​。

有機チタン化合物と有機ケイ素化合物の加水分解反応速度について、pHが酸性、塩基性になった時、当該速度は変わりますか。

チタン化合物の加水分解速度はシリコン化合物より速いですが、pHによって速度が変わります。またTiの場合、生成物の化学構造も異なり、酸性では直鎖状、塩基性では三次元構造になると考えます。

TC-750は室温硬化型シリコーンの触媒として使用した際、密着性を発現しますか。

RTVシリコーンシーラント触媒においてチタン化合物はシリコーンに取り込まれることが文献で知られています。TC-750が末端に存在すれば、密着性を発現する可能性があります​​。

プライマー塗布後に干渉縞が発生することがありますか。

プライマー膜は非常に薄いため、干渉縞が発生することはありません。ただし、酸化チタン膜として膜を形成した際には膜厚によって干渉縞が発現することがあります​​。

チタンオリゴマーを合成する際にはチタンアルコキシドを使用しないと合成できないのでしょうか。

チタンアルコキシドを使用しなくても、チタンキレート化合物を出発物質として部分加水分解重縮合反応をコントロールすることでオリゴマーを合成できます。ただし、ジルコニウムアルコキシドやアルミニウムアルコキシドではオリゴマー化は非常に難しいとされています​​。

Ti-ORとSi-ORの反応性の違いは何ですか。

Ti-ORの方がSi-ORよりも水との反応が圧倒的に速いです。Si-ORのオリゴマー化には酸触媒が必要ですが、Ti-ORは触媒がなくても反応が進行します。Ti-ORは高い反応性を持つため、速やかにオリゴマーが形成されます​​。

TC-310とTC-400を用いたポリビニルアルコール(PVA)架橋において不溶化率の違いが生ずるのは何故でしょうか。

TC-310とTC-400の不溶化率の違いは、酸性と塩基性という違いによるものです。TC-400は塩基性が高く、親核攻撃が生じやすいため反応が進みやすく、不溶化率が高いと考えています。一方、TC-310は酸性であり、脱水縮合が主な反応であるため、異なる架橋度を示すと考えています​​。

オルガチックスとシリコン化合物との違いはどのようなところにありますか。

オルガチックス類のチタンアルコキシドとシリコンアルコキシドの主な違いは、アルコキシ基の反応性にあります。同じアルコキシ基を持つ化合物の加水分解における反応速度を例とします。チタンアルコキシドの場合、pH=7における加水分解反応速度は、1×10-3(M-1S-1)です。これに対して、テトラエトキシシランは、5×10-9(M-1S-1)となり、チタンアルコキシドの方が圧倒的にシリコンアルコキシドよりも反応しやすい化合物と言えます。

ポリビニルアルコール( PVA)に乳酸キレートを添加した際の増粘挙動について教えてください。

 TC-310等の乳酸キレートを5wt%のPVA水溶液に添加した際の粘度変化は小さいですが、添加量によっては増粘が見られます。適切な添加量を見極めることで、ご希望の粘度特性を得ることが可能です​​。

オルガチックスで架橋された樹脂に熱を与えた場合の加水分解性はありますか。

オルガチックスで架橋反応された樹脂は、逆反応が生じることは少ないと考えられます。例えば、PVAを架橋した場合、80℃の熱水で30分間処理しても架橋物は溶解しないため、逆反応は無いと考えます​​。

オルガチックスは無水カルボン酸と反応しますか。

無水カルボン酸は空気中の水分と反応してカルボン酸基を発現した上で架橋反応が生じます。ただし、カルボン酸基は水酸基に比べて架橋反応性が低いため、100~120℃程度の加熱が必要です​​。

イソシアネート化合物とオルガチックスの架橋剤としての違いは何ですか。

イソシアネート化合物に比べて、オルガチックスは安全性が高いです。イソシアネート化合物を使用してウレタン化する場合、触媒が必要ですが、オルガチックスは無触媒で反応が進行します。また、オルガチックスは低温での反応が可能であり、環境負荷を低減することができます​​。

TA-30に比べてTA-8やTA-21の方が触媒活性が高いのでしょうか。

TA-8やTA-21は、水との反応性が高いことから触媒として高い活性を持つと思われますが、触媒活性が高いとは言い切れません。例えばウレタン化触媒として使用する際、ポリオールと反応して架橋構造を形成すると触媒活性を失う可能性があります​​ので、水(水酸基)に対して他のアルコキシドよりも安定なTA-30の方が触媒活性として良好な場合があります。

錫化合物であるDBTDL(ジブチル錫ジラウレート)をウレタン化触媒として使用した場合、DBTDLは構造変化をせずに系内に残存しますが、オルガチックスはアルコール交換反応などによって構造変化するのでしょうか。

ウレタン化反応の原料であるポリオールとのアルコール交換反応が生じ、構造は変化すると考えています。最終的には架橋構造としてポリマー内に取り込まれると推定しています。

オルガチックスを触媒として使用した際、RTVシリコーンシーラントの場合は、オルガチックスが主鎖に取り込まれて架橋構造を形成していると文献に記載がありますが、ウレタン化反応触媒として使用した際はどうでしょうか。

ウレタン反応の触媒として使用した場合もRTVシリコーンシーラントと同様に、触媒として作用した後、最終的にはポリマー内に取り込まれて反応が止まると推定しております。

水系塗料において、シラノールの架橋を促進したいのですが、水系でも使用可能な触媒はありますでしょうか。

水系シリコーンエマルションの硬化触媒として、TC-400とTC-310を用いて検討した事例があります。TC-は皮膜を形成するもののポットライフが短く、TC-400は硬化しませんでした。これらは水系組成物に配合可能ですが、条件により異なる結果が得られる可能性があります​​。

中間体Ti(OH)は不安定そうですが、途中で失活しないのでしょうか。

周辺の環境にもよりますが、Ti-OHは安定ではなく、ポリチタノキサン化するか、架橋構造として取り込まれると考えられます​​。

AL-3100等は配位構造の全てがキレート配位子で占められているため、単純な加熱による反応促進だけでなく、触媒の配位子脱離等の構造変化が活性に影響しているのではないかと考えますがいかがでしょうか。

 加熱するとキレートが外れ、配位場が現れるため触媒作用が発現します。アセチルアセトンキレートでは、加熱で配位が外れ、触媒作用が発現する仕組みと考えております。

チタンアルコキシドと比較して、チタンキレート化合物は触媒性能が低下する傾向にありますが、チタン原子に対してキレートを形成するような化合物を触媒とともに使用すると、その触媒性能は低下しますか。

例えば、アルコキシド化合物のように、配位場が空いている化合物を用いた場合、中心金属に対してキレートを形成するような官能基を持つ化合物を使用した場合、配位場が埋まるため触媒性能が低下する可能性があります。

RTVシリコーンの硬化触媒にアルミニウム化合物を用いた場合、その触媒効果はどの程度でしょうか。

AL-3200等のアルミニウム化合物を硬化触媒として使用した際、その触媒効果が低いとのフィードバックを得たことがあります。シリコーンレジンを用いた社内実験例では、加熱硬化においてアルミキレートは触媒性能を発揮した例があります。

シリコーンレジンの硬化において硬化速度はTA-80が速く、鉛筆硬度がTC-750が高いようです。この理由を教えてください。

TA-80とTC-750の違いはアルコキシドとキレートの違い、アルコキシ基の官能基数の違いがあります。硬化速度においては、配位場が空いているアルコキシドの方が速いため、TA-が速くなります。シリコーンレジンの硬化においては、最終的にこれらチタン化合物が架橋剤として働くと考えられ、官能基数が多いTA-80は反応によって硬くもろくなります。一方、TC-750は柔軟な架橋状態を形成するため鉛筆硬度に差が生じたと考えられます。

チタンアルコキシドなどをシリコーン硬化触媒として使用した際に、常温でシリコーンがゲル化してしまうことはありますか。

反応進行が解放系など、水が供給される条件下では常温でゲル化することがあります。環境雰囲気中の水と反応するため、密閉系で反応させればゲル化しません。

TA-8は空気中の水分と反応して失活しやすいイメージがありますが、同等の触媒効果で失活しにくい製品があれば教えてください。

TA-8よりも失活しにくい化合物として、TA-21やTA-30があります。ただし、アルコキシ基の炭素数が多くなるとその活性は低くなる可能性があります。

チタン化合物を触媒として利用すると着色が起こるため、着色を避ける場合にはジルコニウム化合物を紹介していますが、逆にチタン化合物を使用したほうがいいケースはありますか。

 ジルコニウム化合物に比べて価格が安いため、価格を重視する際はチタン化合物を選択いただくことが一例としてあげられます。触媒性能においても、例えばエステル化反応においてチタン化合物の方が活性が高い事例が報告されている場合があります。

架橋剤として、TA-21を使用していますが、溶剤で溶解した際に濁りが発生します。改善方法を教えてください。

 親水性・吸湿性が高溶剤を使用した場合、加水分解による濁りが発生する可能性があります。もし、加水分解による濁りを気にする場合は、キレート化合物の使用を推奨します。

各製品の加水分解反応性の違いについて教えてください。

弊社製品には加水分解反応性があり、空気中の湿気でも反応が進行します。
加水分解反応性は、金属種や配位子の種類によって異なります。

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製品の性能、性質について詳細説明をしてもらうことはできますか?

ご希望の場合は、商品説明会(訪問、オンラインどちらでも可)を行うことが可能です。『お問い合わせフォーム』より、ご興味のある内容・詳しく知りたい箇所等をご記入の上ご依頼ください。

反応触媒・架橋剤等の推奨添加量はどのくらいでしょうか。

各反応や用途によって推奨添加量が異なります。詳細は、『資料ダウンロード』ページより該当する製品の技術資料をダウンロードしてください。

各種溶剤への溶解性を教えてください。

HPの『製品紹介』ページにて溶解性をご確認頂けます。

オルガチックスTA-8、ZA-65については動画がございます。以下ご参照ください。

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チタンオリゴマー系コーティング剤のプライマーとしての効果について教えてください。

チタンオリゴマー系コーティング剤(PCシリーズ)をプライマーとして使用することで、基材と難接着樹脂層との密着性が向上します。
以下の動画をご参照ください。

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水溶性有機チタン化合物のPVAへの架橋効果について教えてください。

(1)弊社の水溶性有機チタン化合物で架橋したPVAは、耐水性が向上します。以下の動画(PVA不溶化)をご参照ください。

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オルガチックスSIシリーズを使用してウレタン化反応をさせたいのですが?

SIシリーズはイソシアネート化合物ですが、ウレタン化結合は形成しないためウレタン化反応には使用できません。
本品はSi-N結合が開裂しSi-OR結合を生成する反応となります。ご使用方法の詳細は『資料ダウンロード』ページより技術資料「オルガチックスSIシリーズ」をダウンロードしてください。

なお、SIシリーズは有償サンプル(20g/本)となります。

有機チタンに光触媒活性はありますか?

いいえ。有機チタン化合物そのものに光触媒活性はございません。弊社の製品を400〜600℃に焼成し、アナターゼ型酸化チタンを生成させれば光触媒活性を得ることが可能です

有機チタンを塗布、乾燥し皮膜を作りましたが膜が白化しています。透明な膜を得るにはどうしたら良いでしょうか。

有機チタンで皮膜を作る場合、アルコキシド・キレート化合物そのままを塗布・乾燥すると反応性が高すぎるため膜形成できず白化または凝集します。

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製品に色がつきました。原因はなんですか?

有機チタン化合物は、着色しやすい性質を持ちます。主な原因として、以下の3点がございます。

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使用方法について

合成樹脂に オルガチックスSICシリーズを添加することは可能でしょうか。

オルガチックスSICシリーズを合成樹脂に添加することは可能です。ポリエステル触媒や石油樹脂、シリコーン樹脂との相性が良く、過去に実施した例があります。ただし、水酸基が多量に存在する樹脂の場合、ポットライフが短くなることがあります​​。

チタンアルコキシドなどをシリコーン硬化触媒として使用した際に、常温でシリコーンがゲル化してしまうことはありますか。

反応進行が解放系など、水が供給される条件下では常温でゲル化することがあります。環境雰囲気中の水と反応するため、密閉系で反応させればゲル化しません。

TC-400の貯蔵安定性を改良するために、ヒドロキシカルボン酸の併用を推奨する理由と、好ましいpHは何でしょうか。

ヒドロキシカルボン酸(乳酸やクエン酸など)を併用すると、TC-400単独でのゲル化を抑制し、貯蔵安定性が向上します。推論では、TC-400のトリエタノールアミンとヒドロキシカルボン酸の接触により塩が形成され、熱を加えることで塩構造が元に戻り反応が進むと考えられます。好ましいpHについては、具体的な数値は示されていませんが、中性付近が推奨されます​​。

オルガチックスSICシリーズと反応する水酸基は、どんな水酸基でも室温で反応するのでしょうか。

オルガチックスSICシリーズは、活性水素を持つ水酸基であれば室温でも反応することがあります。ただし、水系樹脂では水と反応し加水分解するため、使用できません。

PC-200等でオリゴマー膜を形成した後に、シランカップリング剤を塗工した知見はありますか。

オリゴマーを用いた膜形成後、シランカップリング剤を塗布したこと経験はありません。推測の域を出ませんが、以下のように密着性が発現すると考えます。
PC-200を140℃程度で硬化した膜表面には、Ti-OHが存在する可能性があります。このPC-200の膜上にシランカップリング剤を塗布して加熱するとTi-OHとSi-ORが反応して、Ti-O-Si結合またはTi-OHとSi-OHの水素結合が形成され、その結果、密着性が発現する可能性があります​​。

オルガチックスSICシリーズの希釈溶剤はどのような種類の溶剤を使用したら良いでしょうか。

オルガチックスSICシリーズの希釈溶剤では、酢酸エチルを主溶剤としてください。さらに、濡れ性を向上させるためにIPAやシクロヘキサノンを添加することが推奨されます​​。

チタンアルコキシドを用いたゾルゲル反応によって、1μm程度の膜が作れますか。

ゾルゲル法で厚膜形成は難しいですが、重ね塗りによる厚膜形成の可能性はあります​​。当社の実験では、PC-250を用いて、スピンコートによる塗布、加熱硬化を10回繰り返し、520nmの膜厚を得た事例がございます。

オルガチックスを エステル交換反応触媒として使用し、反応を進めるために必要な温度はどのくらいでしょうか。

当社の実験例としてメタクリル酸メチルとn-ブタノールとのエステル交換反応がございます。本反応では、TA-8やTA-21等を触媒として使用して90℃で5時間反応させた結果、80%以上のエステル交換率を実現したことを確認しております。

オルガチックスは、シリコーン系コーティング膜の架橋反応を促進する目的で使用可能でしょうか。

シリコーン硬化触媒としてオルガチックスは作用します。RTVシリコーンにおいては、メチルトリメトキシシランが架橋剤として使用されており、この架橋反応を促進します​​。

オルガチックスは、二酸化炭素からのメタン合成やアルコール合成用の触媒として使用可能でしょうか。

これらの反応に対して、オルガチックスは活性化エネルギーの観点から難しいと考えられます​​。

湿式法、ハイブリダゼーションの方式で、加熱乾燥させず、液相の状態でフィラー表面に修飾可能であれば工程が楽なのですが、何かご知見がありますか。

液相状態でのフィラー表面修飾は難しいと考えています。チタンカップリング剤の場合、生成するアルコールを揮発させないと反応は右に進まないため、乾燥工程が必要です​​。

ジルコニウム化合物を使用したポリビニルアルコール(PVA)の架橋反応例はありますか。

ジルコニウム化合物であるZC-126は、完全ケン化型ポリビニルアルコール(PVA)の架橋剤としての性能は低いですが、アセトアセチル基変成PVAに対しては高い架橋性能を示します。

TC-310を使用したポリビニルアルコール(PVA)の架橋において加熱は必要ですか。

常温でも架橋しますが、反応効率向上の観点から40℃以上の加熱を行った方が良いと考えます。
乳酸キレートチタン化合物であるTC-310などは、Ti-OHとPVA中の水酸基が脱水反応によって架橋します。この反応を進めるためにも水を蒸発させることが必要です。
また、PVAは水に溶解して使用されることが多い樹脂です。水が存在すると、上述の架橋反応が進みません。
そのため、水を系から除去させる必要があります。常温でも良いですが、工業的な使用を考えると、40℃以上の熱をかけることを推奨します

イソシアネート化合物の代わりとしてオルガチックスは使用可能でしょうか。

樹脂の組成と要求される物性によりますが、オルガチックスも水酸基と反応するため、イソシアネートの代替として使用可能です。ただし、具体的な適用条件や使用環境に応じて試験を行う必要があります​​。

コーティング剤に架橋剤としてオルガチックスを添加した後に、室温下で塗布、硬化させていますが、どの程度反応が進んでいると考えますか。

例えば、グラビアインキの架橋剤として使用した場合、塗布後室温で1日硬化した段階で耐熱性が得られていることから、架橋反応は進行していると考えています。ただし、完全に架橋反応が終了しているかは不明であるため、加熱処理を推奨いたします。

添加時に粘度上昇しやすい組成はどのようなものがありますか。

オルガチックスを多量に配合すると増粘しやすい傾向があります。例えば硝化綿の架橋においては、30wt%添加することで架橋しています。樹脂の水酸基量や主骨格の構造にも影響されるため、各組成に応じた最適な配合量を見極める必要があります​​。

ウレタン化反応触媒として ZC-700を使用したいのですが、メタノールが含まれています。反応でメタノールが結合する、メタノールが悪さをするという懸念はありますか。

 ZC-700には10~15wt%のメタノールが含まれ、イソシアネートと反応しますが、使用量が少量であるため物性に大きな影響はないと考えられます。影響が懸念される場合は、ZC-150をトルエンに溶解して使用することを推奨します​​。

ジルコニウム、チタン化合物はカルボニル基を活性化できると考えますが、アミド化合物を作る触媒として応用できますか。

ペプチド合成においてチタン化合物が使用される場合があります。また、特開2013-163657では、ジルコニウムアルコキシドとモレキュラーシーブスを併用してアミド化(エステルとアミンの交換反応)を行った事例があります​​。

薄膜のシリコーン・オリゴマー(またはレジン)系コーティングにおいて非錫系触媒を使用したいと考えています。チタン系は保存後には反応性が低下して、混合直後に比べて硬化までに必要な時間が長くなってしまうことが多いように思いますが、その点はいかがでしょうか。

 錫触媒に比べて保存後の反応性が低下する可能性があります。錫触媒は触媒としてのみ機能しますが、チタン系触媒は触媒サイクルにて硬化反応が進んだ後、最終的にSi-O-Ti-O-Siの構造として組み込まれると考えられます。そのため、保存後に反応性が低下​している可能性があります​

オルガチックスを触媒として用いる際、反応温度低減に効果がある、化学反応のトリガーとなる、またはその両方、もしくはそれ以外、の中でどの効果が期待できるのでしょうか。

オルガチックスは通常の触媒と同様に反応温度低減に効果があり、化学反応のトリガーになります。また、たとえばシリコーン硬化触媒として使用した際には、最終的に取り込まれるため、密着性向上や架橋による耐熱性向上効果も期待できます​​。

オルガチックスを触媒として使用する際、失活させやすい化合物は何かありますか。

 水が一番失活させる化合物となります。

エステル化反応後に触媒として使用したチタン化合物を効率的に除去する方法を教えてください。

触媒であるチタン化合物の除去方法としては、、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、またはリン酸塩存在下でチタン化合物をを加水分解し、酸化チタンやリン酸チタンを生成させた後にろ過などで除去する方法が文献で示されています。

カルボン酸によるエポキシ化合物を開環反応させて、エステル化合物の合成を検討しています。オルガチックスは、エポキシ基の酸素原子を中心金属原子に配位させて開環反応を促進させる触媒として使用できるでしょうか。

TA-10等のチタンアルコキシドは、エポキシ基の酸素原子がチタンに配位し開環することが文献などで示されています。このことから、カルボキシル基によるエポキシ基の開環とエステル化の触媒となる可能性があります。ただし、副反応としてエポキシ基を開環後に生成される水酸基とチタン化合物が反応する可能性があります​​。

エステル化触媒として有機チタン化合物を使用した場合の最適な触媒添加量などの情報はありますか。

参考ではありますが、特表2001-510493の特許例では、2250kgのテレフタル酸に対して、1920ppmのクエン酸チタン化合物を使用しています。反応後に着色抑制のために155ppmのリン酸安定剤、300ppmの酢酸コバルト四水和物を添加しています

TC-750をアルコキシシラン基の湿気架橋の触媒として検討させて頂いています。架橋速度が速過ぎるので、遅くする方法はあるでしょうか。

TC-750のキレート化剤であるアセト酢酸エチルを1~2lmol程度添加する方法が考えられます。

アルコール交換反応や架橋反応について、どの程度反応したか知る方法はありますか。

副次的な方法ではありますが、得られた生成物の粘度、ガラス転移点、溶剤への溶解性などを測定してどの程度反応しているか評価する方法が考えられます。

チタンアルコキシドを使用してチタンめっきすることはできますか?

できません。チタンめっきではなく、酸化チタンになってしまいます。

製品を輸出することは可能ですか?

製品、数量、輸出先国などによって異なります。また、輸出梱包が必要な製品も多いため、まずは「お問合せフォーム」でお問合せください。

その他

ハイドロシリレーション(ヒドロシリル化反応)の白金代替の触媒として、有機金属化合物を使用できる可能性はありますか。

有機チタンやジルコニウム化合物は白金の代替にはなり得ません。しかし、九州大学等ではFe-Co系やRt触媒が代替材料として検討されています。

チタンオリゴマーが形成されているか否かの確認法として、どのような手段がありますか。

チタンオリゴマーの形成を確認する方法としては、FT-IRを用いたTi-O-Ti(帰属ピーク:約400cm-1、及び約500cm-1)の存在有無を確認する方法や、レーザー散乱法による分子量測定があります。

架橋反応においてキレート交換が生じたかどうかの判断はどのように行えばいいのでしょうか。

アセチルアセトンキレートの場合、塗布膜をFT-IRで測定し、カルボニル基由来のピークシフトを確認することでキレート交換の有無を判断できます​​。

ウレタン化反応におけるゲルタイムの測定方法を教えてください。

ポリオール、イソシアネート、触媒を混合後、流動性がなくなるまでの時間を目視で測定してゲルタイムとしています。

ゲルタイムの測定方法を教えてください。

 ポリオール、イソシアネート、触媒を混合後、流動性がなくなるまでの時間を目視で測定してゲルタイムとしています。

ブロックイソシアネートにはブロック剤を外す効果であるのでしょうか、それともウレタン化の触媒なのでしょうか。

ブロックイソシアネートにも硬化を示す触媒は紹介しておりますが、その作用機構が脱ブロックであるか、ウレタン化であるかは不明です。

カタログや技術資料が欲しいのですが?

HP資料ダウンロード』ページよりカタログ及び各種技術資料のPDF版がダウンロード可能です。

製品を購入したいのですが?

ありがとうございます。「お問合せフォーム」からお問い合わせ下さい。弊社営業部よりご連絡させて頂きます。

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マツモトファインケミカル(株)営業部
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