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マツモトファインケミカル(株)営業部
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2023年01月27日
当社の製品と技術に関する用語の辞典を作成しました。ご参考にしていただけますと幸いです。
あ行 |
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アシレート錯体 | カルボキシル基(COOH基)を持つ化合物がチタン、ジルコニウム等の金属原子と結合した化合物のこと。製品例:TC-800、ZC-200、ZC-320 |
アナタース・アナターゼ | 酸化チタン(TiO2)の結晶形の1つ。正方晶(正六面体)であり、高い屈折率を示す。ルチルに比べて10倍の光触媒性能を発現する。 |
アルコール交換反応 | アルコキシ基などの加水分解性基とアルコール(R'OH)との交換反応のこと。 ex) Ti(OR)4 + R'OH → Ti(OR)3(OR')+ROH |
アンカーコーティング剤 (AC剤) | 接着性を高めるために基材に塗る下塗り剤。当社のAC剤は押出ラミネートに適用できる。 製品例:WS-700 |
イソシアナトシラン化合物 | ケイ素にイソシアナト基(-NCO)が直接結合した化合物。OH基を含有する化合物と反応させた場合、ウレタン化反応は起こらずに置換反応が進行する。 製品例:SIシリーズ(酸化皮膜形成・表面処理機能)、SICシリーズ(剥離・撥水・滑り性付与) |
ウェットプロセス | 材料表面を溶液状態の化学物質で処理すること。一般的には、溶剤に溶かした樹脂などを基材にコーティングする技術を指す。その他、化成処理、電気めっき、無電解めっき、陽極酸化処理が挙げられる。 |
ウレタン化反応 | イソシアナト基(-NCO)と水酸基(-OH)が反応し、ウレタン結合(-NHC(=O)-OC-)を形成する反応のこと。この結合を持つ樹脂を ‟ウレタン樹脂” と呼ぶ。オルガチックスは本反応の触媒として機能する。 |
エステル化反応 | カルボン酸(RCOOH)とアルコール(R'OH)からエステル(RCOOR')を生成する反応のこと。平衡反応(可逆反応)である。 当社製品のオルガチックスは本反応の触媒として機能する。 ex) RCOOH + R'OH ⇔ RCOOR' + H2O |
エステル交換反応 | エステル(RCOOR')のアルコール部分を他アルコール(R''OH)と反応させて、交換する反応のこと。平衡反応(可逆反応)である。当社製品のオルガチックスは本反応の触媒として機能する。 ex) RCOOR' + R''OH ⇔ RCOOR'' + R'OH |
押出(エクストリュージョン) ラミネート | 高温で溶融した熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)を他のフィルムに押し出し、積層する技術。溶融した樹脂の密着力を増大させるためにアンカーコーティング剤(AC剤)が用いられる。 |
オリゴマー | モノマーが繰り返し結合した重合体のこと。一般的に、分子量が10,000以下(重合度100以下)の低重合体をオリゴマーという。 |
オルガチックス | 当社が製造・販売する有機金属化合物の登録商標。触媒、架橋剤、プライマー、高屈折率膜形成剤等、幅広い用途に使用される。 |
か行 |
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架橋剤 | 樹脂等のポリマー同士を連結(架橋)し、大きな分子にさせる物質。樹脂等ポリマー物質の物理的・化学的性質を変化させることができる。 |
加水分解反応 | 化学物質が水と反応して分解する反応。 当社の有機金属化合物の場合、ポリチタノキサン化合物等 -O-Metal-O-の連続構造となり、これが巨大になると金属酸化物となり沈殿を生ずる。 |
カップリング反応 | 2つの化合物が結合し、1つの化合物を形成する化学反応のこと。 |
含浸樹脂 | 素材の隙間に含浸することで、素材同士を密着させ強度を向上させる樹脂。 製品例:ビステックスシリーズ |
危険物(国連番号、UN番号) | 国際連合の「危険物輸送に関する勧告」で、輸送上の危険性や有害性(がある化学物質に付与された番号を国連番号(UN番号)という。引火点が低い物質/混合物、毒性や腐食性が高い物質等が対象となる。危険物の場合は、国連番号及び容器等級に応じた包装や表示を行うことが必要である。 |
危険物/非危険物(消防法) | 火災発生や火災拡大の危険性が大きいもの。消火の困難性が高いもの。消防法では、性質によって第1~6に分類される。当社製品では第4類引火性液体に該当する製品が多数ある。危険物の貯蔵及び使用については、法律の定めるところに従わなければならない。 |
既存化学物質リスト | 人や環境への悪影響を防止するなどを目的に定められた法律にある既存化学物質リスト。日本では化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)や安衛法(労働安全衛生法)がある。既存化学物質リストに収載されていない物質を製造・輸入する場合は、新規化学物質として届出・申請(数量によって異なる)を行う必要がある。 海外では、アメリカ、中国、韓国、台湾、欧州、その他様々な国で同様の規制が実施されている。 |
機能性材料 | 反応促進、密着性向上、高屈折率化といった様々な機能を発現させる材料。 |
キレート | 複数の酸素、窒素等を持つ配位子が、1つの金属と2つ以上の結合で配位する構造のこと。このような配位子を特に「キレート剤」や「多座配位子」とよぶ。ジケトン化合物(アセチルアセトン等)、ケトエステル化合物(アセト酢酸エチル等)、グリコール化合物(オクタンジオール等)、オキシカルボン酸化合物(乳酸等)、アルカノールアミン(トリエタノールアミン等)。 |
共役構造 | 単結合と二重結合を交互に繰り返す構造のこと。共役構造を有する物質は可視光を吸収しやすいため色を呈しやすい。 |
共有結合 | 2つの原子が電子を共有し形成する結合のこと。 |
金属含有量 | 有機金属化合物に含まれる金属の重量。有機金属化合物を焼成して有機成分を飛ばし、残った金属酸化物重量から算出される。 |
金属酸化皮膜 | 有機金属化合物を基材に塗布し、焼成によって得られる金属酸化物の膜。 |
屈折率 | 空気と金属酸化膜など、光が異なる2つの物質の中を進むとき、界面で光が折れ曲がる比率のこと。 |
グリコールキレート錯体 | 1分子中に2つ以上の水酸基(OH基)を持つ化合物(グリコール)が金属原子と結合した化合物。 |
軽剥離・中剥離・重剥離 | 剥離力の程度のこと。軽剥離、中剥離、重剥離に分類され、軽剥離は剥離に必要な力が小さく、重剥離は大きい。 |
ケトエステルキレート錯体 | 1分子内にエステル構造(R1C(=O)OR2)とカルボニル構造(R3C(=O)R4)を持つ化合物が金属に結合した化合物。例:アセト酢酸エチル錯体 |
ゲル化剤(増粘剤) | 液体状のものの粘度を高める添加剤のこと。当社製品はインキワニス等に対して、架橋反応により粘度を高める添加剤として働く。 製品例:AL-3100、AL-3200、ZA-45 |
コア(鉄芯) | 特殊な磁気特性を持つ「電磁鋼鈑」でできた部品で、モーターや変圧器に使われる。当社のビステックスは電磁鋼鈑間の密着性を向上させる働きがある。 |
高屈折率膜 | 有機チタン、有機ジルコニウム化合物は熱分解によってTiO2やZrO2膜を形成することができる。これらの金属酸化膜は高屈折率という特長がある。当社では、高屈折率コーティング剤としてPCシリーズを展開している。 |
工程紙 | 製品の製造過程において、製造される品を支持するために用いる紙やフィルムのこと。支持体に対する高い密着性と離型性が求められる。当社のSICシリーズは工程紙の離型剤として用いられる。 |
さ行 |
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錯体 | 金属や金属イオンに酸素や窒素等を含む化合物が近づいて結合し、一つにまとまっている化合物。 |
残留接着率 | 粘着テープにおいて、剥離剤塗工面から剥がしたテープに接着力がどの程度残存しているかを表した値のこと。これを測定することでテープ接着面への剥離剤の移行の程度を確認できる。 |
ジケトンキレート錯体 | 金属に、二つのケトン基を有する配位子が結合した化合物。 |
重縮合反応 | 2つ以上の分子が互いの分子内から水やアルコールなどを取り外しながら結合する反応が連続して起こり高分子をつくる反応。チタンアルコキシドの場合、水と反応することで以下のように高分子のポリチタキノサン化合物が生成される。 Ti-OR + Ti-OR + H2O⇒ (Ti-O-Ti)n + ROH(アルコール) |
触媒 | 化学反応において、自身は変化しないが反応速度を加速させる物質。 |
シーラント(シーリング材) | 建築材料の一種。隙間を埋めて防水性や気密性を高めるために使われる。主に風呂場や外壁の隙間などによく用いられる。 |
シリコーン硬化反応 | シリコーンオイルに代表されるジメチルポリシロキサン(シリコーン)には、水酸基やアルコキシ基等を有するものがあり、他添加剤と併用することで、空気中の湿度等と反応してゴム状になることが知られている。当社製品は、このようなシリコーンの硬化触媒(脱アルコール型)として長年の使用実績がある。 |
縮合型シリコーン | 空気中の水分によって「縮合反応」で硬化するシリコーンこと。その一例のRTVシリコーンは、スズやチタン化合物が触媒として使われる。 |
親水性(疎油性) | 水とのなじみやすさ(油とのなじみにくさ)。 |
水溶性チタン化合物 | 水中で加水分解・重縮合反応を起こさず、液状を安定に保持するチタン化合物のこと。 製品例:TC-300、TC-310等 |
スピンコート | コーティング手法の一種。材料を回転させた際に生じる遠心力でコート液を塗り広げる手法。回転速度、時間によって膜厚を調整できる。 |
滑り性付与剤 | 基材に滑り性を与える材料のこと。当社では滑り性を有する皮膜を成膜するコーティング剤を製造している。 製品例:SICシリーズ |
成分濃度 | 製品に含有する主成分量を百分率で示した値。当社では主成分の重量百分率を採用している。 |
疎水性(親油性) | 水とのなじみにくさ(油とのなじみやすさ)。 |
ゾルゲル法 | 金属アルコキシドなどのMetal-O結合をもつ化合物を加水分解・重縮合させて金属酸化物を得る方法。反応過程でゾルからゲルに転移することからこう呼ばれる。 |
た行 |
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耐水化剤 | 樹脂等に耐水性を与える添加剤のこと。当社製品は、架橋反応により耐水性を高める。 製品例:TC-310、TC-300 |
タックフリータイム | シーラント等の乾燥硬化過程で、指先で表面に触っても抵抗なく指が離れる程度まで表面が硬化するのにかかる時間のこと。指触乾燥時間とも言う。 |
チタンアルコキシド | チタンとアルコールが結合した化合物。Ti(OR)4で表される。ORはアルコキシ基という。 |
チタンアルコキシドオリゴマー | チタンアルコキシドを原料にしてつくられたポリチタノキサン化合物((-Ti-O-Ti-)n)であり、構造にアルコキシ基を有する。 |
ディップコート | コーティング手法の一種。コート液に材料を浸けて引き上げることで塗布する手法。引き上げ速度を変えることで膜厚を調整できる。 |
特殊シリコン化合物 | 当社が製造するイソシアナトシラン化合物(製品名 SIシリーズ / SICシリーズ)を、当社では「特殊シリコン化合物」と称している。 |
ドライプロセス | 材料表面を溶融状態または気体状態の化学物質で処理すること。溶融メッキ、溶射、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)が挙げられる。 |
塗料用ドライヤー | 塗料の乾燥促進剤のこと。当社製品は、架橋反応により塗膜硬化を促進する。 製品例:TC-100、TC-401 |
は行 |
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配位結合 | 配位子中の酸素や窒素等から、金属に対して一方方向で電子対を与えてできる結合。一方方向の結合なのでO→Ti等で表される。 |
配位子 | 金属に対して結合するイオンや分子のこと。ジケトン化合物(アセチルアセトン等)、ケトエステル化合物(アセト酢酸エチル等)等が配位子としてあげられる。 |
バインダー | 素材同士を密着させる物質。例えば塗料用のバインダーは染料や顔料を塗装面と密着させて、塗料を剥がれにくくする。当社のTA、TCシリーズがバインダーとして活用可能。 |
バーコーター (ワイヤーバー) | 液体試料を均一な厚さで塗布するために用いられる棒状の塗工用具、あるいはこれを使用したコーティング手法を指す。番号が振られており、値が大きいほど厚く塗布することができる。 |
撥水性 | 水をはじく性質のこと。 |
ビステックス | 当社が製造・販売する ‟熱硬化型一液アクリル系含浸樹脂” の登録商標。カットコア、ギャップコアへの樹脂含浸といった特殊用途に用いられる。 |
ヒドロキシカルボン酸キレート 錯体 | 乳酸等、1分子中に水酸基(OH基)とカルボキシル基(COOH基)を持つ化合物が金属原子と結合した化合物。 |
表面処理 | 金属、ガラス、プラスチックフィルム、粉体等の表面を物理的・化学的に処理して機能を付与すること。当社では化学的処理するための材料を提供している。 |
ファインケミカル | 応用範囲が幅広く付加価値の高い、多品種・少量生産の化学製品のこと。 |
フィラー | 主に充填剤などに使用されるナノ~ミクロサイズの粒子のこと。 |
封孔処理 | 素材の表面にある微細孔を埋める処理。当社のSICシリーズは封孔処理剤の一種として使用実績がある。 |
付加型シリコーン | 「付加反応」により硬化するシリコーンのこと。硬化には白金触媒が必要。 |
プライマー | 下塗りコーティング剤のこと。これを基材に用いることで、塗材との密着性を向上できる。 製品例:PC-200、PC-601、PC-620等 |
不溶化率 | PVA樹脂に対する架橋剤の性能を表す、当社独自の指標。架橋剤入りのPVA膜を熱水に溶かした際の、元の重量に対する溶け残った重量の割合のこと。ゲル分率ともいう。 |
変成シリコーン | 有機樹脂の末端をケイ素で変成した樹脂のこと。シーリング材や接着剤などの原料に使われる。硬化触媒として、オルガチックスを使用できる。 |
ポリオレフィン重合 | オレフィン(C=C結合をもつCnH2nの化合物)をモノマーとしてポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)を得る重合反応。触媒として金属アルコキシド(TA-8、ZA-45、AL-3001など)を活用できる。 |
ポリチタノキサン構造 | チタノキサン結合(-Ti-O-Ti-) が連なった高分子(ポリ)構造のこと。 |
ポリビニルアルコール(PVA) | 水酸基の結合したポリビニル構造(-CH2-CH2(OH)-)を持つ合成樹脂。親水性が高く、洗濯のりや接着剤などの原料として用いられる。 |
ポリマー | モノマーが繰り返し結合した重合体のこと。一般的に、分子量が10,000以上(重合度100以上)の高重合の物質をポリマーという。 |
ま行 |
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密着向上 | 密着を向上させるには2種類の方法がある。 1.基材(被着体)表面を物理的 or 化学的に変化させる方法。( オルガチックスPCシリーズ(化学的表面処理)) 2.塗材に基材と反応する化学物質を添加する方法。( オルガチックスシリーズ ) |
モノマー | 高分子化学の世界では、ポリマーの最小単位のこと。 当社の有機金属化合物製品においては、一分子の中に中心金属がひとつのみ含まれる化合物のこと(単核錯体とも言う)。 |
や行 |
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有機金属化合物 | 一般的には金属と炭素が結合した化合物。当社では金属が”酸素”を介して炭素と結合した化合物を指す。 |
有機ジルコニウム化合物 | ジルコニウム-酸素-炭素の結合をもつ化合物。 |
有機チタン・有機ジルコニウム 化合物の熱分解反応 | 有機チタン・有機ジルコニウム化合物を加熱焼成した際に、配位子が分解し金属酸化物(TiO2、ZrO2)を生じる反応。 |
有機チタン化合物 | チタン-酸素-炭素の結合をもつ化合物。 |
指擦過(ラブオフ)試験 | 皮膜を指で強く擦って傷の有無を確認する試験。皮膜の強度や材料に対する密着性を調べられる簡易的手法。 |
溶解度パラメータ(SP値) | 物質同士の相溶性を予測する指標として用いられる値。値が近い物質同士ほど相溶性が高い傾向がある。 |
ら行 |
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離型剤(剥離剤) | 様々な基材上に、非粘着性膜を形成するコーティング剤のこと。 製品例:SICシリーズ(主にプラスチックフィルム用) |
ルイス酸・ルイス塩基 | 酸・塩基の定義のひとつ。ルイス酸は電子対を受け取る物質、ルイス塩基は電子対を与える物質のこと。有機金属化合物では中心金属がルイス酸、配位子がルイス塩基である。 |
ルチル | 酸化チタン(TiO2)の結晶形の1つ。正方晶(正六面体)であり高い屈折率、熱安定性を特徴とする。 |
ロールコート | コーティング手法の一種。ローラーでコート液を材料に塗布する手法。工業的によく用いられる。例:グラビアコーター、ナイフコーター、ダイコーター等 |
わ行 |
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ワニス | 溶剤に天然樹脂、または合成樹脂を溶かした塗料のこと。顔料を含まず、透明な膜を形成する。 |
英数字 |
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CVD・MOCVD | CVD(Chemical Vapor Deposition)は気相中での化学反応によって材料表面に薄膜を形成する処理のこと。MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)は有機金属原料を使用する。製品例:TA-12、SI-310、SI-400 |
HSAB則 | ルイス酸・塩基を「硬い(Hard)」「軟らかい(Soft)」で分類したとき、硬い酸は硬い塩基と、軟らかい酸は軟らかい塩基と反応しやすいという経験則。 |
有機チタン、有機ジルコニウム、その他有機金属化合物に関するご要望、製品に関するご質問や、
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