Technical

2022年03月07日

研究G技術通信

技術通信  No.4「抗菌効果の付与が期待できるオルガチックス?」~ドデシルベンゼンスルホン酸を官能基として有するチタン化合物~

MFC技術通信は、当社の日々の実験・考察から得られた、ちょっとした発見や新しい利用方法の可能性について、皆様に発信していくものです。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する対応策としてアルコール等による消毒・殺菌が重要視されている中、経済産業省より新型コロナウイルスに有効な界面活性剤の情報が20205月に公表されました。この界面活性剤の種類の中には、“直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム”が含まれておりました。
 アルキルベンゼンスルホン酸の1種であるドデシルベンゼンスルホン酸は、当社の有機金属化合物であるオルガチックスの配位子となることが分かっており、早速チタン化合物と反応したところ、以下図1のような液状化合物の合成に成功いたしました。
 “直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム”は、新型コロナウイルスに対する消毒効果は高いものの、素材に単に塗布しても固定化されず効果の持続性が低いことが考えられます。今回合成したこの化合物は 図2に示すように反応性のあるアルコキシ基を持つ化合物であるため、この化合物は塗布した素材との化学結合、即ちドデシルベンゼンスルホン基の固定効果が期待できるのではないかと考えております。

 過去、当社の乳酸チタン系化合物に消臭効果が確認されたことがあり、然る繊維メーカー様では、この化合物を使用した消臭繊維を製品化された実績があります。今回合成できたドデシルベンゼンスルホン酸チタン化合物も貴社の素材に応用いただくことで製品開発のお手伝いができないかと考えた次第です。
 当社では抗菌効果の測定ができないため、効果を示すデータ提示は致しかねますが、本サンプルのご提供は可能ですので、ご興味がありましたら当社までご連絡いただけると幸いです。

参考文献:経済産業省 webサイト
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200529005/20200529005.html

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