FAQ

使用方法について

合成樹脂に オルガチックスSICシリーズを添加することは可能でしょうか。

オルガチックスSICシリーズを合成樹脂に添加することは可能です。ポリエステル触媒や石油樹脂、シリコーン樹脂との相性が良く、過去に実施した例があります。ただし、水酸基が多量に存在する樹脂の場合、ポットライフが短くなることがあります​​。

チタンアルコキシドなどをシリコーン硬化触媒として使用した際に、常温でシリコーンがゲル化してしまうことはありますか。

反応進行が解放系など、水が供給される条件下では常温でゲル化することがあります。環境雰囲気中の水と反応するため、密閉系で反応させればゲル化しません。

TC-400の貯蔵安定性を改良するために、ヒドロキシカルボン酸の併用を推奨する理由と、好ましいpHは何でしょうか。

ヒドロキシカルボン酸(乳酸やクエン酸など)を併用すると、TC-400単独でのゲル化を抑制し、貯蔵安定性が向上します。推論では、TC-400のトリエタノールアミンとヒドロキシカルボン酸の接触により塩が形成され、熱を加えることで塩構造が元に戻り反応が進むと考えられます。好ましいpHについては、具体的な数値は示されていませんが、中性付近が推奨されます​​。

オルガチックスSICシリーズと反応する水酸基は、どんな水酸基でも室温で反応するのでしょうか。

オルガチックスSICシリーズは、活性水素を持つ水酸基であれば室温でも反応することがあります。ただし、水系樹脂では水と反応し加水分解するため、使用できません。

PC-200等でオリゴマー膜を形成した後に、シランカップリング剤を塗工した知見はありますか。

オリゴマーを用いた膜形成後、シランカップリング剤を塗布したこと経験はありません。推測の域を出ませんが、以下のように密着性が発現すると考えます。
PC-200を140℃程度で硬化した膜表面には、Ti-OHが存在する可能性があります。このPC-200の膜上にシランカップリング剤を塗布して加熱するとTi-OHとSi-ORが反応して、Ti-O-Si結合またはTi-OHとSi-OHの水素結合が形成され、その結果、密着性が発現する可能性があります​​。

オルガチックスSICシリーズの希釈溶剤はどのような種類の溶剤を使用したら良いでしょうか。

オルガチックスSICシリーズの希釈溶剤では、酢酸エチルを主溶剤としてください。さらに、濡れ性を向上させるためにIPAやシクロヘキサノンを添加することが推奨されます​​。

チタンアルコキシドを用いたゾルゲル反応によって、1μm程度の膜が作れますか。

ゾルゲル法で厚膜形成は難しいですが、重ね塗りによる厚膜形成の可能性はあります​​。当社の実験では、PC-250を用いて、スピンコートによる塗布、加熱硬化を10回繰り返し、520nmの膜厚を得た事例がございます。

オルガチックスを エステル交換反応触媒として使用し、反応を進めるために必要な温度はどのくらいでしょうか。

当社の実験例としてメタクリル酸メチルとn-ブタノールとのエステル交換反応がございます。本反応では、TA-8やTA-21等を触媒として使用して90℃で5時間反応させた結果、80%以上のエステル交換率を実現したことを確認しております。

オルガチックスは、シリコーン系コーティング膜の架橋反応を促進する目的で使用可能でしょうか。

シリコーン硬化触媒としてオルガチックスは作用します。RTVシリコーンにおいては、メチルトリメトキシシランが架橋剤として使用されており、この架橋反応を促進します​​。

オルガチックスは、二酸化炭素からのメタン合成やアルコール合成用の触媒として使用可能でしょうか。

これらの反応に対して、オルガチックスは活性化エネルギーの観点から難しいと考えられます​​。

湿式法、ハイブリダゼーションの方式で、加熱乾燥させず、液相の状態でフィラー表面に修飾可能であれば工程が楽なのですが、何かご知見がありますか。

液相状態でのフィラー表面修飾は難しいと考えています。チタンカップリング剤の場合、生成するアルコールを揮発させないと反応は右に進まないため、乾燥工程が必要です​​。

ジルコニウム化合物を使用したポリビニルアルコール(PVA)の架橋反応例はありますか。

ジルコニウム化合物であるZC-126は、完全ケン化型ポリビニルアルコール(PVA)の架橋剤としての性能は低いですが、アセトアセチル基変成PVAに対しては高い架橋性能を示します。

TC-310を使用したポリビニルアルコール(PVA)の架橋において加熱は必要ですか。

常温でも架橋しますが、反応効率向上の観点から40℃以上の加熱を行った方が良いと考えます。
乳酸キレートチタン化合物であるTC-310などは、Ti-OHとPVA中の水酸基が脱水反応によって架橋します。この反応を進めるためにも水を蒸発させることが必要です。
また、PVAは水に溶解して使用されることが多い樹脂です。水が存在すると、上述の架橋反応が進みません。
そのため、水を系から除去させる必要があります。常温でも良いですが、工業的な使用を考えると、40℃以上の熱をかけることを推奨します

イソシアネート化合物の代わりとしてオルガチックスは使用可能でしょうか。

樹脂の組成と要求される物性によりますが、オルガチックスも水酸基と反応するため、イソシアネートの代替として使用可能です。ただし、具体的な適用条件や使用環境に応じて試験を行う必要があります​​。

コーティング剤に架橋剤としてオルガチックスを添加した後に、室温下で塗布、硬化させていますが、どの程度反応が進んでいると考えますか。

例えば、グラビアインキの架橋剤として使用した場合、塗布後室温で1日硬化した段階で耐熱性が得られていることから、架橋反応は進行していると考えています。ただし、完全に架橋反応が終了しているかは不明であるため、加熱処理を推奨いたします。

添加時に粘度上昇しやすい組成はどのようなものがありますか。

オルガチックスを多量に配合すると増粘しやすい傾向があります。例えば硝化綿の架橋においては、30wt%添加することで架橋しています。樹脂の水酸基量や主骨格の構造にも影響されるため、各組成に応じた最適な配合量を見極める必要があります​​。

ウレタン化反応触媒として ZC-700を使用したいのですが、メタノールが含まれています。反応でメタノールが結合する、メタノールが悪さをするという懸念はありますか。

 ZC-700には10~15wt%のメタノールが含まれ、イソシアネートと反応しますが、使用量が少量であるため物性に大きな影響はないと考えられます。影響が懸念される場合は、ZC-150をトルエンに溶解して使用することを推奨します​​。

ジルコニウム、チタン化合物はカルボニル基を活性化できると考えますが、アミド化合物を作る触媒として応用できますか。

ペプチド合成においてチタン化合物が使用される場合があります。また、特開2013-163657では、ジルコニウムアルコキシドとモレキュラーシーブスを併用してアミド化(エステルとアミンの交換反応)を行った事例があります​​。

薄膜のシリコーン・オリゴマー(またはレジン)系コーティングにおいて非錫系触媒を使用したいと考えています。チタン系は保存後には反応性が低下して、混合直後に比べて硬化までに必要な時間が長くなってしまうことが多いように思いますが、その点はいかがでしょうか。

 錫触媒に比べて保存後の反応性が低下する可能性があります。錫触媒は触媒としてのみ機能しますが、チタン系触媒は触媒サイクルにて硬化反応が進んだ後、最終的にSi-O-Ti-O-Siの構造として組み込まれると考えられます。そのため、保存後に反応性が低下​している可能性があります​

オルガチックスを触媒として用いる際、反応温度低減に効果がある、化学反応のトリガーとなる、またはその両方、もしくはそれ以外、の中でどの効果が期待できるのでしょうか。

オルガチックスは通常の触媒と同様に反応温度低減に効果があり、化学反応のトリガーになります。また、たとえばシリコーン硬化触媒として使用した際には、最終的に取り込まれるため、密着性向上や架橋による耐熱性向上効果も期待できます​​。

オルガチックスを触媒として使用する際、失活させやすい化合物は何かありますか。

 水が一番失活させる化合物となります。

エステル化反応後に触媒として使用したチタン化合物を効率的に除去する方法を教えてください。

触媒であるチタン化合物の除去方法としては、、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、またはリン酸塩存在下でチタン化合物をを加水分解し、酸化チタンやリン酸チタンを生成させた後にろ過などで除去する方法が文献で示されています。

カルボン酸によるエポキシ化合物を開環反応させて、エステル化合物の合成を検討しています。オルガチックスは、エポキシ基の酸素原子を中心金属原子に配位させて開環反応を促進させる触媒として使用できるでしょうか。

TA-10等のチタンアルコキシドは、エポキシ基の酸素原子がチタンに配位し開環することが文献などで示されています。このことから、カルボキシル基によるエポキシ基の開環とエステル化の触媒となる可能性があります。ただし、副反応としてエポキシ基を開環後に生成される水酸基とチタン化合物が反応する可能性があります​​。

エステル化触媒として有機チタン化合物を使用した場合の最適な触媒添加量などの情報はありますか。

参考ではありますが、特表2001-510493の特許例では、2250kgのテレフタル酸に対して、1920ppmのクエン酸チタン化合物を使用しています。反応後に着色抑制のために155ppmのリン酸安定剤、300ppmの酢酸コバルト四水和物を添加しています

TC-750をアルコキシシラン基の湿気架橋の触媒として検討させて頂いています。架橋速度が速過ぎるので、遅くする方法はあるでしょうか。

TC-750のキレート化剤であるアセト酢酸エチルを1~2lmol程度添加する方法が考えられます。

アルコール交換反応や架橋反応について、どの程度反応したか知る方法はありますか。

副次的な方法ではありますが、得られた生成物の粘度、ガラス転移点、溶剤への溶解性などを測定してどの程度反応しているか評価する方法が考えられます。

チタンアルコキシドを使用してチタンめっきすることはできますか?

できません。チタンめっきではなく、酸化チタンになってしまいます。

製品を輸出することは可能ですか?

製品、数量、輸出先国などによって異なります。また、輸出梱包が必要な製品も多いため、まずは「お問合せフォーム」でお問合せください。

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